ダブル受験当日

今日はダブル受験の日だった。
午前中は簿記、午後は危険物。
昼食を取る時間は無さそうだった。正確には取れそうだが、気分的には早く次の試験会場に着いておきたかった。
まあ、1つ目の試験が終わってから考えることにしよう。そもそも昼食をぬいたところでどうということはない。
簿記試験会場へと車で向かう。いつもの癖で、会場1番乗りだった。というよりまだ会場の準備ができていななかった。会場前のベンチに座って前の壁紙をじっと見ていた。
テキストを開く気にはなれなかった。今更みてもどうにもならないことは明らかだった。
会場が開き、自分の席に着いた。もちろん1番乗りである。かといって何か心の奥底から湧き上がってくるものがあるわけでもない。僕は前のホワイトボードをなんとなく見つめていた。
肩を後ろから叩かれた。みると同僚の後輩であった。彼も早く来たようだ。彼も僕と同じく今日はダブルヘッダーで試験をうけるらしい。あんまり、簿記は自信がないようであり、勉強もあんまり進まなかったということを言っていた。僕も簿記はあんまり勉強していておもしろいと思わなかったので同じであることを伝えた。
ぞくぞくと会場に受験生が入ってき始めた。さあ試合がはじまる。でも自信はあんまりない。
人数は多くはないがすべての席が埋まってきた。みんなやる気のある人ばかりのような感じがした。危険物乙4の試験を受けたときは2割くらいが、ほとんど勉強せずに受けているような感じで結果もそのようであった。簿記試験はそれとは明らかに雰囲気は違っていた。今日はどうしても受かりたいという気持ちになった。
さあ試験が始まった。問題を見た。普通の3級の問題のようであった。どちらにしても自分にとっては3問目が潮目であり、そこまで勢いに乗っていけるかどうかが勝負所だった。
3問目が終わり、合計が合った。うれしかった。最後の問題に気兼ねなくいくことができる。
すべてを解き終えた。もう一度電卓を打ってみた。合計はあっていた。あと30分くらいあった。仕訳の確認をしてみた。あとはまちがっていないことを祈るばかりだ。
試験が終わった。自分は同僚に別れを告げ、危険物の試験会場に向かった。
その途中で、コンビニがあったので、軽食を買った。時間があれば会場の近くで食べることにしようと思った。
会場に着いた。まだ誰も来ていないようだった。まだ1時間以上もあるのだから当たり前なのだ。
会場近くの広場で軽い昼食を食べることにした。簿記の試験はいけたのだろうか。
まあとにかく、次の危険物の試験に全力をかけることにしよう。
昼食を適当にすまし、会場に向かった。
会場はまだ開いてはいなかったが、入り口近くに受験生が2、3人座っていた。
いい天気である。太陽の日差しが暖かい。日差しが当たる所に座って一呼吸した。これから試験を受けるより、ひと眠りするほうが、人間として正しいことじゃないかと思われた。
急に睡魔が襲ってきた。虚ろになりながら、太陽の心地よさに身をゆだねていた。
会場の入り口のドアが開いた音がした。試験の係員が中に入るように促してくれた。僕はしかたなく立ちあがり、会場の中に入っていった。
部屋には3人がすでに座っていた。席順が決まっていて、自分は窓際の前から2番目の席だった。試験の種類ごとに席替わり振られているらしく前の黒板にその振り分けが書いてあった。甲種を受けるのは自分も含めて5人のようだった。
思ったより多い人数が受けることに少し驚いたが、この時期であれば、そういうこともあり得るだろう。
続々と受験生が入ってきた。自分の前には人は来ない。この前の人は今回は間に合わなかったのだろうか。それとも自分のようにダブルになり危険物の方をあきらめたのだろうか。そんなことを考えているうちに試験官が入ってきた。
試験官は、必要なことを簡潔に話し、時間とともに試験が始まった。
問題を見ると、過去問の問題が結構出ていた。しかし、各種乙の試験とは違い、過去問にはないような問題も結構出ていた。特に化学の分野ではそれが多い気がした。
すべてやり終わり、問題を見直した。まだ40分くらい残っていた。どうするか迷ったが、最後までいても問題用紙は回収されるし、これ以上いても迷うだけでいい答えが出そうになかった。
残り30分で退出した。
会場から出ると、日がまぶしかった。すべてやりきったすがすがしさが体全体を包んでいる感じだった。
そう思うとおなかがすいてきた。昼食をどこで食べようか。肉を食べたい気分だった。
 
僕

人生、糾える縄が如し

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